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トム・クルーズ、ジャック・ニコルソン、デミ・ムーアが共演する軍法会議サスペンス「ア・ヒュー・グッドメン」トム・クルーズ演じる若きキャフィ中尉が、キューバのグァンタナモ米軍基地で起きた兵士殺害事件の真相に迫ります。
実はこの映画には「モデルとなった実際の事件がある」と言われています。調べてみると確かに“元ネタ”と言われる出来事は存在しました。
でも、その後の展開が少し不思議で、映画以上にドラマティックなんです。この記事ではその流れを、分かりやすくまとめて、本作のあらすじと感想をご紹介します。
実際にあったcode red(しごき)事件
映画の舞台となった海兵隊で、ある隊員に対して“Code Red”と呼ばれる私的制裁が行われた事件が実際に起きています。
ただし――
映画と大きく違うのは、隊員は死亡しなかったこと。
重傷を負ったものの、後に回復しています。
さらにこの事件では、
- 上官の命令はあいまいな指示
- しごきを実行した隊員は暴行罪で有罪
- その後、名誉除隊として退役
という流れで決着しました。
映画の“殺人裁判”とはかなり違いますよね。
数年後、事件に関わった元海兵隊員のひとりが映画を知り、「無断で事件を利用された」と強い怒りを示します。ラジオ番組などでも主張を繰り返し、映画会社を訴える準備を進めていたと言われています。
ここまでは、まだ分かりやすい話です。ところがその後、彼は突然行方不明になります。しばらくして見つかったのは、複数回撃たれた“銃殺体”でした。
奇妙なのはここからです。
- 財布のお金もカードも手つかず → 強盗ではない
- 抵抗した跡がない
- 普段着ない海兵隊のジャケットを着せられていた
こうした状況から、「軍の関係者が関わったのでは…?」という噂が流れ始めました。しかし、これはあくまで“説”であり、証拠はありません。
警察は犯人を特定できず、動機も分からないままコールドケースに。
“映画に怒り訴えを準備していた人物が銃殺された”という繋がりから、どうしても想像が膨らんでしまいますが、真相はいまも闇の中です。
映画『ア・フュー・グッドメン』はフィクションとして作られていますが、その背後には、現実に起きた事件と、さらにその後に続いた謎めいた出来事が存在していました。
キャスト
トム・クルーズ――キャフィ中尉
デミ・ムーア――ギャロウェイ少佐
ジャック・ニコルソン――ジェセップ大佐
ケヴィン・ベーコン――ロス大尉
キーファー・サザーランド――ケンドリック中尉
J・T・ウォルシュ――マーキンソン中佐
ケヴィン・ポラック――ワインバーグ中尉
ジェームズ・マーシャル――ダウニー一等兵(被告人)
ウォルフガング・ボディソン――ドーソン上等兵(被告人)
ジャックバウアー役でブレイクしたキーファー・サザーランドやフット・ルース/ミスティックリバーのケヴィン・ベーコンらのブレイク前のわき役時代が見れるのも面白いポイントです。
あらすじ
キューバのグァンタナモ米軍基地で兵士サンティアゴが死亡し、同僚のドーソンとダウニーが殺害容疑で逮捕される。
弁護を任されたキャフィ中尉は経験不足だったが、ギャロウェイ少佐らとともに事件の背景を調べるうち、基地司令官ジェセップ大佐が「コードR」と呼ばれる暴力的制裁を命じていた事実に行き着く。
真相を知るマーキンソン中佐は証言直前に自殺。
最終的にキャフィはジェセップを法廷で追及し、コードRの指示を自白させることに成功。被告2人は殺意なしとして無罪になるが、軍の倫理に反したとして除隊処分に。
ドーソンは、守るべきだったのは軍の命令ではなく弱い立場のサンティアゴだったと気づく。
当初は早期の司法取引でキャリアを傷つけずに乗り切ろうと考えていたキャフィ中尉は、ジャック・ニコルソン演じる基地の司令官ジェセップ大佐がコードRを指示したのかどうかに焦点が当てられます。
考察と感想
トム・クルーズとジャック・ニコルソンの組み合わせが面白いですよね。次の年の作品「ザ・ファーム」でのジーン・ハックマンとの共演もかなり面白い組み合わせで、どちらもレアな作品と言えます。
どちらの作品でもまだ青臭くて、演じ方が「いかにも」な感じがしています。
ハスラー2でのポール・ニューマンや、レインマンのダスティン・ホフマンに次ぐジャック・ニコルソン、ジーン・ハックマンら大物実力派俳優たちに囲まれることで存在感がより際立つようになりました。
90年代前半のトム・クルーズは、“スター”から“俳優”へと進化していく過渡期。「ア・ヒュー・グッドメン」で見せた緊張感ある対峙、「ザ・ファーム」でのスリリングな駆け引き。
こうした作品を重ねて、トム・クルーズは単なるアイドル的な人気俳優ではなく、“本格的な演技派俳優”としてキャリアを伸ばしていきました。
こののちにインポッシブルシリーズが始まるのだけど、トム・クルーズの活躍は彼らとの共演があってからこそだとも言えますね。
ア・ヒュー・グッドメンでキャフィ中尉(トム・クルーズ)は法廷経験は浅い上に、司法取引をして裁判を終わらせて勝訴を積み重ねる、といった姑息な手で適当に弁護士をやっている男。ハーバード大出身でプライドが高く自身満々。軽いちゃら男を完璧に演じています。
海軍と言う閉鎖された特殊な世界で権力の頂点に立つ男ジェセップ大佐を演じるジャック・ニコルソンの何とも言えないいやらしく傲慢な演技。
「貴様ごときが私のような立場にあるものに気やすく話してはいけないのだ」とはるか高いところから見下すジェセップ大佐にビビることなく挑んでいくキャフィ中尉。若さと傲慢さでは負けていないところがよかったです。
ジェセップ大佐が死亡したサンティアゴに対して「コードR」を指示したかどうかに焦点が当てられています。
法廷でキャフィ中尉はジェセップ大佐がコードRを指示したことを自白させようと追い詰めます。このシーンが本作においての最大のクライマックスです。
“Did You Order the Code Red?”
キャフィ中尉この執拗な問いについに
“You’re damn right I did”
と言ってしまうジェセップ大佐。
このラストシーンの緊迫した攻防戦、鳥肌が立ちます。何度も何度も観返してしまいます。法廷サスペンスとして見ごたえ充分な何度も観返したい作品の1つです。
まだ観ていない、と言う人はぜひ
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