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『ハウス・オブ・ギネス』は、 有名な黒ビール「ギネス」を生み出したギネス一族の栄光と波乱を描く実話ベースの歴史ドラマです。
アイルランドと英国で最も裕福な一族として君臨したギネス家は、莫大な財産と政治的影響力を背景に、スタウトビールで築いた帝国を拡大。
しかし、1868年のベンジャミン・ギネスの死をきっかけに、まるで『メディア王 〜華麗なる一族〜』のような後継者争いが勃発します。
大富豪の野望と運命が交錯するこの物語、面白いのか気になりますよね? ここでは『ハウス・オブ・ギネス』のキャスト相関図、あらすじと感想を徹底レビュー!
また、続編はあるのかについて徹底考察して Netflixで今すぐチェックしたくなる魅力をお届けします。
ハウス・オブ・ギネスは実話
1868年頃のアイルランドは、ちょうど大飢饉の悲劇の余波が残りつつ、独立運動の火が再び燃え上がり始めた時期になります。貧困と弾圧の時代から、反骨と改革の時代に移行する転換期でした。
当時のアイルランドは「グレートブリテン及びアイルランド連合王国」の一部。
→ つまり「イギリスの一州」として扱われ、首都ダブリンの政治権限はロンドンに吸収されていました。
貴族・地主階級の多くがイングランド人やプロテスタント系で、現地の多くの住民はカトリック系で立場に大きな違いがありました。ギネス家はプロテスタントで支配階級でした。
ですが、プロテスタントとしての信仰を持ちながらも、比較的リベラルな姿勢を取り、カトリック救済活動や慈善事業にも力を入れたことで知られています。
1845~1852年の大飢饉によって100万人が死亡し、200万人以上がアメリカなどに移民。社会の不安は政治運動へと変わっていきます。
そんな中で生まれたのが「フェニアン同盟」という独立運動組織です。「ハウス・オブ・ギネス」の舞台になった1868年の前年、1867年にフェニアン蜂起(ほうき)が発生し、アイルランド全土で同時蜂起を狙いましたが、イギリス政府の弾圧で失敗に終わりました。
つまり、1868年は反乱の直後で政府の監視が厳しく、社会には緊張と不安が漂ていました。その年の12月、自由党のウィリアム・グラッドストンが首相に就任したことで弾圧から改革の時代になりました。
ダブリンやベルファストでは産業化が進み醸造業や造船業が発展しました。

これらの歴史的背景を知ると「ハウス・オブ・ギネス」が単なる家族ドラマではなく“アイルランドという国の記憶”を背負った物語であることが分かります。
ギネス家の成功の裏には、植民地支配・宗教の分断・貧困など、当時のアイルランド社会の複雑な事情が絡み合っていました。
その意味で、この作品は「ひとつの企業の物語」であると同時に、「国の矛盾と誇りの象徴」でもあるのです。
登場人物・キャスト相関図
アーサー・ギネス (アンソニー・ボイル)
ギネス家の長男で政治的野心を秘めた激情家。父の遺志により醸造所の共同経営を強いられ、兄弟との緊張関係の中心となる人物。
エドワード・ギネス(ルイス・パートリッジ)
ギネス家の末っ子。10代の頃から家業を学び、ギネスの醸造所はまさに居場所そのもの。
アン・ギネス (エミリー・フェアン)
ギネス家の長女。優雅かつしなやかな女性として、家族の遺産と自身の未来の狭間で揺れる。
ベンジャミン・ギネス(フィオン・オシェア)
“厄介者”の次男はギャンブルと薬物依存に苦しんでいる。
ショーン・ラファティ(ジェームズ・ノートン)
ギネス醸造所の現場監督。カリスマ性があり、時に冷酷…ギネス家とその名声を守るためなら手段を選ばない
パトリック・コクラン(シェイマス・オハラ)
フェニアン団のリーダー。短気で激情家
エレン・コクラン(ナイアム・マコーマック)
パトリック・コクランの妹で、賢く情熱的。アイルランド共和主義者で兄よりも戦略的
ジョン・ポッター(マイケル・マケルハットン)
ギネス家の執事
バイロン・ヘッジス (ジャック・グリーソン)
ギネス家のおとし子
あらすじ
ギネス家当主ベンジャミンの葬儀の日、反プロテスタント感情を背景にフェニアン団が動き出す。妹エレンはギネス家の内部に切り込む策を探るが、兄パトリックは独断で醸造所に放火。対立の火種が表面化する。
遺言により、アーサーとエドワードは共同経営を強制され、他の兄妹の望みは退けられる。家族それぞれの不満が募る中、放火事件の黒幕がフェニアン団のパトリックだと判明し、追及が始まる。
アンは視察中に流産し、過去の関係に思い至る。一方アーサーは政略結婚を選択。エドワードは福利厚生改革を打ち出し、従弟バイロンも登場。ラストでエドワードは、フェニアンを操るエレンに協力を持ちかける。
アーサーの結婚式を機に、家族と政治の緊張が深まる。エドワードはフェニアン票を利用しようとするが失敗。ニューヨークのバイロンは黒ビールを拡販。アーサーの選挙不正が発覚し、兄弟間の亀裂が拡大する。
アーサーは不正により議席を失い、ギネス家の評判は失墜。エドワードは事業拡大と都市再開発に乗り出す。バイロンからフェニアン資金流用の報告が届き、エドワードとエレンの関係は決定的になる。
パトリックが逮捕され、エレンはエドワードに救いを求めるが、兄アーサーは激怒。エドワードは貧困の現実を目の当たりにし、理想に目覚める。パトリックは政治的駒としてニューヨークへ送られ、復讐の芽が育つ。
アーサーは罠を脱し、エドワードは住宅計画を始動。エレンとの関係を断ち、アデレイドとの結婚を選ぶ。オリヴィアの妊娠という新たな火種が生まれる中、兄弟は裏社会を排除し、ギネス家再建へ踏み出す。
帰国したパトリックがアーサー暗殺を企てる。エドワードは過去と決別し、妻との未来を選択。オリヴィアは二重生活を続け、選挙集会の最中、ついにパトリックがアーサーに向けて発砲するところで物語は幕を閉じる。
感想と考察
キャスト
一番印象的だったのはバイロン・ヘッジス役のジャック・グリーソンです。彼はゲームオブスローンズではクソ息子のジェフリー・バラシオン役でした。

ゲームオブスローンズでの役柄が酷すぎて嫌われ過ぎて俳優業を引退したと聞いていましたが、復活していてよかった…。

あの時の年齢であんなジェフリー役をよくやったなと、末恐ろしい俳優だと思っていましたが、今回すごくいい役をいい演技でこなしていて最高でした。ジェフリーの事なんか全然考えることがなかった。
またジェフリー以上に凶悪なラムジー・ボルトンの父親役で裏切り者を演じたルース・ボルトン役で出演していたマイケル・マケルハットンも今回は執事役のジョン・ポッターで登場!
二人ともこの作品が禊になった???ゲームオブスローンズ好きすぎて、いくつも記事書いてます。
長男役のアンソニー・ボイルもゲームオブスローンズでボルトン家の人間だったけど印象は薄いです。
さて、現地(アイルランド)の視聴者にとってはキャストがアイルランド人かどうかが注目されていて、結構大きな問題のようです。
シーマス・オハラ、ニアム・マコーマック、ジャック・グリーソン、アン・スケリー、アンソニー・ボイル、ナイアム・マコーマック…。
アイルランドが舞台のドラマなのにアイルランド人が演じていない、アイルランドの事をよくわかっていないイングランド人がイギリス人向けに作ったドラマ。
などという書き込みを見ました。
歴史的史実に基づくドラマというものは往々にしてそのような見解がされるものです。デリケートなテーマですものね。他国の者にとっては1つの作品としてしか見ることしかできないですが、その国の人にしてみれば納得できない部分はあるのでしょう。
ハウス・オブ・ギネスに見る女性たちの立場と時代背景
ギネス家では父ベンジャミンの遺言によって、長女のアンは醸造業に関わることを禁じられました。アンは経営に携わりたかったのですが、遺言によってその道は断たれました。
1860〜1870年代(ヴィクトリア朝中期)のギネス家のような上流・実業家階級の女性たちの立場は、社会的にきわめて制約が多く、それでいて家の名誉と道徳の象徴でもある――そんな「金の檻」の中に生きていました。
- 家の“象徴”であり、
- 宗教的・道徳的模範として見られ、
- 一方で法的にも社会的にも束縛されていた存在。
結婚は社会的義務で愛よりも「家同士の結びつき」としての意味が強かったことは言うまでもありません。持参金が重要視され、家の名誉と財産を背負って嫁ぐのです。

伯爵令嬢のオリヴィアは落ちぶれた実家を守るために金持ちのアーサーがゲイだと知りながら契約結婚をしギネス家の奥方となります。
そんな制約された檻の中にいても、慈善や教育を通して「静かな改革」を進めた女性も少なくありません。彼女たちが後の 女性解放運動の土台をつくったとも言われます。
上流女性が公的に活動できる数少ない場がチャリティー(慈善事業)でした。
ギネス家の史実でも、女性たちは貧民救済・教会支援・教育活動などを担っています。
一見「お上品な奉仕活動」ですが、実際は彼女たちが社会の不正義に対して行動できる唯一の手段でした。ドラマの中ではアデレイドがダブリンの貧民街再開発計画を打ち出しますが、それは当時としては非常に進歩的な行動なのです。
さて、最終話では選挙集会の日、アーサーは皆の前に立ち演説をしています。群衆の中にパトリックの姿を見つけたラファティと警備員たち。パトリックはアーサーに狙いを定め発砲。
というところで終わっています。
続編はある?続編が制作される基準は?
続編ありきの終わり方を見せた「ハウス・オブ・ギネス」アメリカ版2チャンネル「Reddit(レディット)」ではもう確定みたいな投稿が多くありますが、現時点(2025年10月18日)でnetflixからの公式発表はありません。
どんな制作会社でも作品の収益(?)が上がらなければ次作は製作しません。Netflixも然り。完結しないまま終了、あるいはストップしたシリーズはいくつかあります。
例えば2023年に配信された相撲業界を描いた「サンクチュアリ-聖域-」は続編を匂わせた終わり方でしたが、続編製作のニュースは流れてきません。
歴史ドラマ『マルコ・ポーロ』もシーズン2で終了となっています。好きな作品だったのでとても残念。
うちきりになった理由は、製作費用が1話あたり900万ドル(約10億円)だったそうで、シーズン合わせて20話だから、200億!!!めちゃくちゃ経費かかり過ぎな割に、出演者のほとんどがアジア系のキャストだったこと(白人社会ではウケなかった?)などが考えられます。
netflixのオリジナル作品の成功判定基準は「作品がどれだけ視聴者を引き付け、維持、獲得するかが鍵」となります。
主な成功指標は視聴者数よりも質の高い視聴(Views)を重視しています。Viewsの算出方法は割愛しますが、高Viewsは作品が広く行き届いて、持続的に観られている証拠。2025年のデータではオリジナル作品が全体視聴の55%を占めていて、Viewsランキングトップ100のほとんどがオリジナル作品、ということです。
なので、ここ数年のnetflixはオリジナル作品に力を入れているんですね。
Views以外の指標は作品の総視聴時間(リピート視聴も含む)で、視聴時間が1億時間以上でヒットが確定となります。
また、視聴者がその作品を最後まで観たかどうかの割合を示す完了率も大きくかかわってきます。 低視聴率でも高完了率であれは高評価されます。
ハウスオブギネスの制作費(全8話)は推定で約120億〜150億円、この巨額な製作費は、物語の舞台となる19世紀のダブリンの街並みやギネス醸造所をリアルに再現するために費やされており、そのスケールの大きさは作中からも見て取れます。
2025年9月に配信されたばかりなので、まだデータは取れないでしょうが、制作費を上回る高完了率、高Viewsを獲得してぜひ続編を制作して欲しいです。
たまに、というか今回初めてこのような例を観たのですが、最終話に次回作の登場人物であろう俳優(坂口健太郎、ソン・ジュンギ)を登場させて「続編ありますよ!」と告知した「匿名の恋人たち」
続編がいつ配信なのかは明かされていませんが、「続編があるのかないのか?」と視聴者がモヤモヤして待たなくてもいいので安心感はあります。
世界的に大ヒット中の「イクサガミ」にも同じことが言えます。最終話に横浜流星さんが登場し、以下兄も続編あり!を匂わせた終わり方をしていますが、この時点ではまだ続編が作られるかは決定しておらず、つい先日続編制作が発表されました。
これらの事から続編を望むのであれば、私たちができることは何回も最後までしっかり視聴する、ということですね。
まとめ
Netflixオリジナルドラマ『ハウス・オブ・ギネス』は、ギネス一族の栄光と葛藤を描いた壮大な歴史ドラマです。実話をベースに、宗教・政治・家族の対立が絡み合う19世紀アイルランドの社会背景が物語を深く支えています。
Netflixオリジナルとして制作規模も大きく、現時点で正式な続編の発表はありませんが、視聴データ次第ではシーズン2への期待が高まっています。続編を望むなら、視聴して完走することがファンにできる一番の応援です。
💡ドラマで興味を持った方は、史実はこちらで詳しく知れます!
『ミットフォードとギネス一族の御曹司』





