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netflixドラマ『アッシャー家の崩壊』はエドガー・アラン・ポーの”アッシャー家の崩壊”を原案としたマイク・フラナガン脚本・監督による全8話からなるゴシックホラーです。どのシーンにも登場する謎の女ヴェルナの正体は何なのか?人間なのか?について深堀りし、感想と考察をまとめました。
大筋は原作に基づいていますが、ポーの他の作品からも着想を得ているということで、マイク・フラナガンがどのようにアレンジしたのかも注目ポイントになっています。
あらすじ
第1話「物悲しい真夜中に」
アッシャー家では2週間のうちに6人の子どもが全員死亡し、検事補デュパンが事件を調査しています。
双子のロデリックとマデラインは、1950年代に秘書とCEOの間に生まれ、母の死と父の殺害という過去を背負っています。
彼らが経営するフォーチュナート製薬は、オピオイド薬「リゴドーン」で多数の死者を出しましたが不正を隠蔽してきました。しかし家族内部からの告発により起訴される事態となり、正体不明の内部告発者を巡って兄妹が対立を深めています。
1979年の大晦日―――ロデリックとマデラインはある大晦日のパーティーに出席していましたが、パーティーを抜け出し、通りがかりのバーへ入りました。
そこでバーテンダーをしていたのがヴェルナでした。ロデリックとマデラインはアリバイを作るためにバーに立ち寄ったのでしたが、ヴェルナはそんな二人の様子から何かを感じ取っていたように見えました。
混乱を避けるために、早めに種明かしを!
1979年に大晦日のバーでであったヴェルナはシェイプシフター(姿を変えられる存在)でポーの作品ではよく知られるキャラクターです。
幻想的、神秘的な要素を体現したのがヴェルナで、「アッシャー家の崩壊」では運命、あるいはカルマ(因果応報の法則)の執行者。
第2話「赤死病の仮面」
婚外子として認められたプロスペロー(ペリー)は贅沢な暮らしを始めますが、兄フレデリックに疎まれています。彼は仮面舞踏会風のパーティを計画し、屋上で赤いコートの女ヴェルナを目撃します。
一方、遺伝性疾患CADASILを患うロデリックは幻覚に悩まされながら、デュパンに過去を語り始めます。若い頃、貧しい中で薬「リゴドーン」を売り込もうとしましたが、CEOグリスウォルドにアイデアを盗まれ事業化されてしまいました。侮辱されたロデリックは妹マデラインと共に復讐を誓います。
ペリーの秘密パーティーでは、ヴェルナの警告を無視して続行された結果、スプリンクラーから酸が降り注ぎ参加者が焼き尽くされ、ペリーもヴェルナに口づけされて死亡しました。

かなりエグいシーンです。18+なのは当然。ヴェルナは「酸」のシャワーが降る事を知っていてパーティのスタッフたちに立ち去るように忠告します。
スタッフたちは全員助かりました。「逃げなさい」と、ぎりぎりのタイミングで言われたモレラ、逃げ場によっては運が良ければ助かるかもしれませんでした。アッシャー家の嫁である事の代償として全身大やけどを負いましたが、命は助かりました。
第3話「モルグの殺人」
酸の雨でペリーが死亡し、唯一モレラが生き残りました。ロデリックは事故原因が隠していた有害物質だったと明かします。
広報担当カミーユはヴィクを内通者と疑い調査を開始しますが、研究室に潜入した際にヴェルナに襲われ死亡しました。
第4話「黒猫」
カミーユの死後、監視映像から警備員が別人だと判明し、ロデリックとマデラインは1979年に出会った謎の女ヴェルナを思い出します。
一方、婚外子のナポレオン(レオ)はドラッグに溺れ恋人ジュリアスの猫を殺害。似た猫を買ってごまかそうとペットショップに出向いたレオはそこでプルートにそっくりな黒猫を見つけました。
そのぺットショップの店員はヴェルナだったのです。ヴェルナから譲られた黒猫に幻惑され狂気に陥り、ベランダから転落死しました。
第5話「告げ口心臓」
1979年の大晦日、ロデリックとマデラインはヴェルナと運命的な出会いを果たします。
1979年のカウントダウン直前―――ロデリックはバーテンダーのヴェルナに手相を見られ「線が二つに分かれている。今夜、人生が転換することを示してる」」と言われました。
次にマデラインを見て「古代エジプトのように女性はリーダーなの」「女王が見える、王冠はないけど」と煽られて「絶対に男には支配されず、永遠の命を手に入れて見せる」と。そしてカウントダウンが始まり1980年が幕開けました。
ロデリックの婚外子で人工心臓の研究をしているヴィクは臨床試験を強行して恋人ルイーズを脳死に追いやります。そしてルイーズに人工心臓を埋め込みましたがその後、人工心臓の「キュキュ」という鼓動音に苛まれます。
錯乱したヴィクは「もっと丈夫な心臓がいる」と、自らの胸にメスを突き立て死亡しました。
第6話「ゴールドバグ」
アッシャー家の顧問弁護士ピムはありとあらゆる手段を使ってついにヴェルナを発見しました。そこには年代を超えた数々の大物らと一緒に写っているヴェルナの姿がありました。
しかも歳を取っていないのです。百戦錬磨のピムの口から「こんなのは見たことが無い」と信じられない言葉が出ました。
タマレーンは新薬発表会で幻覚に襲われプレゼンが大失敗。屋敷でヴェルナの幻影に追い詰められ、鏡の破片が喉を貫いて死亡しました。
第7話「落とし穴と振り子」
フレデリックは妻の浮気を疑い監禁・拷問しますが、作業員に扮したヴェルナの罠にかかり巨大な鉄球に切り裂かれて死亡します。
過去にロデリックとマデラインは検事補のデュバンを裏切り、フォーチュナート社を手に入れました。しかし、血縁者はみな怪死し残ったのは2人きり・・・。
マデラインは「あの時」ヴェルナにあったせいでこうなった事に気が付き、もうやめて欲しいと頼みました「取引の内容は変えられない」と言うヴェルナ。
ここでもまだロデリックとマデラインがヴェルナとどんな契約をしたのかは明確にはわかりませんでした。
第8話「大鴉」
ここでついにヴェルナと結んだ契約が明らかになりました。
1979年大晦日、フォーチュナート社の仮装パーティーで2代目のCEOルーファス・グリスウォルドを薬で眠らせ、地下室の壁に拘束しレンガの壁を作って閉じ込めたのです。
そのアリバイ工作のためにヴェルナのバーに行ったのでした。
ヴェルナは2人がグリスウォルドを殺害してアリバイを作るために来たことを知っていました。
「富と権力と引き換えに、ロデリックとマデラインが死ぬときに血脈(子孫)も一緒に死に絶える。そんな取引に応じるか?」
40~50年の裕福な暮らしか、70~80年の長きにわたる不安と苦難と苦しみの人生のどっちがいい?つまり、「アッシャー家に今いる人間とこれから生まれる全員が恵まれた裕福な人生を送り、最後は一緒に舞台を去る」と言う取引に2人は応じたのです。
3人は酒を酌み交わし契約を成立させました。
2人はバーを出て後ろを振り返ると、そこにバーはなく大鴉の絵が描かれた壁があるだけでした…。
残ったアッシャーの血筋を引くものはロデリック、マデライン、ロデリックの孫娘レノーアの3人。
ヴェルナはアッシャー家の中で最も清廉なレノーアの前に現れこれまでのアッシャーの死に様とは違った、美しい方法でレノーアの命を回収しました。
最後にロデリックはマデラインに絞殺されて屋敷が崩壊します。フォーチュナートは解体され、ヴェルナは契約に従いアッシャー家の物語を終わらせました。
会社は解体され、ロデリックの妻ジュノがフェニックス財団を作り、資金をリハビリ施設と依存症治療の研究に費やしました。
ヴェルナはアッシャー家の墓所に現れて、それぞれの持ち物を返しました。王冠や指輪、スマホや人工心臓、2つのサファイヤ、タンブラー…。
レノーア・アッシャーの墓には自分の黒い羽根と薔薇を供えました。唯一、連れて行きたくなかったが、連れて行かなくてはいけませんでした。アッシャー家の血脈を途絶えさせるために…。
感想と考察
各話のタイトルと内容はエドガー・アラン・ポーの短編小説にちなんだもの
面白いことに、壁に埋め込まれてしまった2代目CEO、ルーファス・グリズウォルドは実在の人物です。
ポーとグリズウォルドは非常に仲が悪く、ポーが死亡したときもポーに同情しない内容の死亡記事を書いたほど。なので監督のマイク・フラナガンは壁に埋めて殺してしまったのでしょう。
話題性もあって興味をもって見始めたのはよかったのですが、なんとまあヤバい、エロい、グロい、の3拍子揃った衝撃的な演出ばかりで、最後まで見れるか心配でしたが、でも見進めていくとぐいぐい引き込まれて行きました。
主人公のロデリック・アッシャーを演じたブルース・グリーンウッドは上品な紳士然としていて、とても悪徳企業のCEOと言った風ではなかったので、ちよっと油断してしまいましたね。息子や娘たちはクズばかりなのに、ロデリック・アッシャーだけがまともな風に見えました。
ロデリックの前に幻覚として出てくる死んだ子供たちがグロすぎて怖いんだけど、ロデリックだけがきちっとしたビジュアルのままでいるからバランスが取れているというか、耐えられたというか…。
エドガー・アラン・ポーの作品において、ヴェルナはシェイプシフター(姿を変えられる存在)でポーの作品ではよく知られるキャラクターです。
幻想的、神秘的な要素を体現したのがヴェルナで、「アッシャー家の崩壊」では運命、あるいはカルマ(因果応報の法則)の執行者。
と冒頭で書きましたが、全編通してみると「人間の本質を暴く存在」と感じました。しかもその態度は公平です。
ロデリックの弱さ、マデラインの執着に対してはとことん与えて、根こそぎ奪う。大晦日に会ったとき、ヴェルナの甘言に乗らなければこんなことにはならなかったはずです。
アーサー・ピムの前にも表れて魅力的な未来を提示して誘惑しますがピムは断りました。ロデリックの掃除屋として生きてきたピムですが、自分の信念はしっかり持っていたのです。するとヴェルナはピムにひざまずいて頬に手をやり「ありがとう」と言って消えました。
また孫娘のレノーアに対しても慈愛に満ちた目でレノーアを見て、これから起こる事を淡々と説明しました。レノーアの勇気ある行いがこれから後、どれだけ多くの人の助けになるかを教えました。そして額に手をやって命を回収しました。
レノーアの死があまりにも美しくてヴェルナの存在意義が悪や欲を罰するだけではないことが分かってホッとしました。それなら死ななくてもよかったのでしょうが、契約だから仕方ないですね。
ヴェルナは私たちの周りのどこにでもいるのかもしれません。隙あらば甘言をもって誘惑しようと見ているのかも…。
まとめ
マイク・フラナガン脚本と監督による「アッシャー家の崩壊」」全8話のネタバレあらすじと感想をまとめました。各話にはエドガー・アラン・ポーの短編作品などが多く盛り込まれていて、短編も読んでみたいと思いました。
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