ブレイキン オリンピックで採用された理由はなぜ? 反対!いらないという声

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2024年パリ五輪で新しく採用された競技の中に「ブレイキン」が加えられています。いわゆるブレイクダンス競技のことですが、それが物議を醸しています。

なぜオリンピック競技にブレイクダンスが?と思いますよね。理由は簡単、近年のオリンピックへの関心が薄い若い世代を呼び込むためですが、果たして若い世代がこれを受け入れるかどうかは疑問です。

*2024年パリオリンピックの新競技として採用されたブレイキンとは?
*ブレイキンがオリンピックで採用された理由
*ブレイキン オリンピックには反対、いらないという声について。
*ブレイキンの採点方法は?
*競技に参加する国と出場選手は?
*パリ五輪のブレイキン競技の日程

以上についてレポートしました。

オリンピックで採用された”ブレイキン ”ってなに?

パリ五輪に新競技が追加されたけど”ブレイキン ”ってなに?と思われている人もいるでしょう。日本では「ブレイクダンス」と呼ばれているものです。

発祥は1970年代のアメリカ・ニューヨークのストリート。ルーツは縄張り争いを繰り広げていたギャングの抗争で、暴力ではなく踊りで平和的に対決するようになったのが始まりといわれます。

黒人文化が基礎のヒップホップカルチャーの要素のひとつで、音楽に合わせてアクロバットのような激しい動きを含んだダンスが特徴。ファッションも独特で重量感やボリューム感あるスタイリングが特徴になっています。

日本で流行ったのは1980年代でテレビ番組「ダンス甲子園」の影響もあり、世界的にトップレベルのダンサーが大勢生まれました。

ブレイキン オリンピックで採用された理由

ブレイキン がオリンピックで採用された理由は冒頭でも述べた通り、オリンピックへの関心が薄い若い世代を呼び込むためというのが理由の1つです。

昔はオリンピックと言えば4年に1度の大イベント!!!絶大の人気を誇り世界中で沸き上がりました。日本でも家族がTVを囲んで自国の選手を応援する、というスタイルが一般的でしたね。

ところが近年では以前ほどの人気はなく、特に若い人に至ってはプロスポーツ観戦には興味はあるもののオリンピック離れが進んでいる様子です。

世界的にブレイキン人口が増加している今、オリンピック競技として取り入れることで、若者の興味をひきオリンピックを盛り上げるためにブレイキンが選ばれたのです。

実際にブレイキンは2018年アルゼンチンで行われたユースオリンピックの競技種目として採用され、多くの支持を得たという実績があります。

ブレイキン オリンピックには反対、いらないという声

ブレイキンがオリンピック正式競技になるのは反対!とか、いらない、必要ないという声が上がっています。なぜそう思われるのかについて調べてみました。

【ブレイキン オリンピックには反対、いらないといわれる理由】

*ブレイキンが競技になる事でダンサーではなく選手になることの違和感
*ブレイキンがスポーツになる事でブレイキンの歴史が変わってしまう
*アート性が損なわれてしまう
*格闘技のようなバトルをするが、あくまでもダンスである
*オリンピック種目となれば得点の取れる動きを狙うようになり、表現の自由が無くなる
*判定基準ができあがり、その基準で点数をとれる人が勝てるとなるとダンスの多様性がなくなる
*ブレイクダンスを客観的に点数化することは、前代未聞
*正しいジャッジの在り方が現時点でも曖昧
*「正式種目」になったからといってブレイクの社会的地位がアップするとは思えない

このような意見がどこから出ているのか?ブレイキンを全く知らない人の意見というよりは、ブレイクダンスが好きな人や実際にブレイクダンスを踊っている人からの意見なのではないかと予想されます。実際に大きな大会でタイトルをとったダンサーの中にも、反対する声は出ているでしょう。

このようにブレイキンがオリンピック競技になるのは反対、いらないという意見が目立つ中、相反する以下のような考え方もありました。

【ブレイキン オリンピックに賛成】

*BBOY、BGARL(ブレイクダンサー)の社会的地位の向上
*スポーツになることは正直嫌だけど理解されることには賛成
*知名度向上の意味では一概に反対とは言えない
*メジャーになることでイメージがアップし、ダンサーにスポンサーがつくようになる

このような賛成意見を持つ方は本当にブレイキンが大好きで愛している事が想像できます。

しかしながら、やはり反対派の意見としては「ダンスバトルがオリンピックの競技としては考えにくい」「採点方法が主観によるもので採点する人によって見方が違う」などが上がってきます。

ブレイキン オリンピックでの採点方法

ブレイキンを構成する4つの要素

ブレイキンはフリースタイルのダンスと思っていましたが、調べてみると4つの要素で構成されていることがわかりました。

*トップロック
立った状態でステップと上半身を組み合わせたダンススタイル
技の種類――アップロック/ブロンクスステップ

*フットワーク
かかんだ状態で全身を使ってフロアの上で展開する独自の脚さばき
技の種類――シックスステップ/ベビースワイプス

*パワームーヴ
最もダイナミックでアクロバットのような動き。頭で回転する「ヘッドスピン」や背中や肩で回転する「ウインドミル」などの高難易度の技。
技の種類――ヘッドスピン/ウインドミル/スワイプス

*フリーズ
上記の技の一連の動きの途中で瞬間体の動きを止める。動と静の組み合わせの妙が求められる技。
技の種類――チェアー/アローバック/ショーグン

ブレイキンの採点方法は?一般的なイベントや大会の場合

ダンスをどうやって採点するのでしょうか?興味深い部分ですね。ちなみにブレイキンのイベントや大会では「ジャッジ」による投票で決められます。

ジャッジとなる人物は、シーンを牽引しているトップダンサー や関係者が務めます。イベントで複数の優勝を記録しているベテランダンサーや、長年に渡りシーンに貢献してきた人物などが選ばれて、人数は引き分けを避けるために3人か5人の奇数で構成されます。

各ジャッジの投票回数はバトルにつき1票で、最多得票数のダンサーが勝者になります。

しかし、バトルが引き分けになる場合もあります。

ジャッジには「引き分け」を選択できるルールがあり
*ジャッジの全員が引き分けを選択した時
*1人、ないし3人のジャッジが引き分けを選択し、残りのジャッジの投票が割れた時

この場合は勝者が決まるまで何度でもラウンドが延長されます。

また、例えばジャッジ5人のうち4人が引き分けを選択した時は残りの1人のジャッジが選んだダンサーが勝者となります。

審査の鍵はジャッジ次第、主観で勝敗を決めているということになりますね。もちろん厳しく公平な目を持って審査されるのでしょうが曖昧な印象があります。

ブレイキンの採点方法は?ユースオリンピック競技大会の場合

2018年、アルゼンチン・ブエノスアイレスで開催されたユースオリンピック競技大会の時の審査基準はこちら

審査基準
技術点   40点   難易度・迫力・速度                        
表現点30点雰囲気・情熱・個性・音楽性・独創性
構成点20点想像力・多様性・見やすさ・形・バランス
バトル点10点意思疎通・自然さ・戦術
減点項目
クラッシュバランスを失う・滑る
リピート同じ技を繰り返し使う
バイト他人の真似をする
https://akosmile.com/breaking-parisolympics/#toc2

これらの項目を5人のジャッジで採点されました。

ブレイキンの採点方法は?パリ五輪でのルール

オリンピックパリ五輪でのブレイキンの競技方法とルールは以下の通りです。

男女それぞれ16名の選手が1対1で直接対決します。各選手は自らの演技を披露し、相手はそれに応じて返します。5人のジャッジは、「技術性」「多様性」「完成度」「独創性」「音楽性」の5つの基準に基づいて採点を行います。審査中は、各審査員がタブレットを使用して各要素の得点を評価していきます

TEAM JAPAN

採点のパリ五輪の基準は「技術力、創造性、スタイル、スピード、力強さ、リズム、敏捷性」と発表されています。これに加えて、音楽性、マインド(個性)なども追加されます。

現時点では、2018年のユースオリンピック大会の時の数字による明確な採点基準は発表されていません。同じような明確な数字で採点基準を設けてほしいですね。決してジャッジのさじ加減ということにならない様に。

ブレイキン オリンピック競技に参加する国と出場選手は?

ブレイキン オリンピック競技参加資格

まず、ブレイキン競技の参加資格は2008年12月31日以前に生まれた選手のみが出場権を得ることができます。16歳以上ということですね。

【ブレイキン競技の参加資格】
*16歳以上
*1つのNOC(オリンピック参加国が組織する、その国のオリンピック委員会)からは男女各2名
*2023年WDSF世界選手権の優勝者(ベルギーで行われた大会)
*各大陸予選で首位をとった選手(合わせて男女各5名)
*2024年5月(上海)6月(ブタペスト)に行われる五輪予選の成績による男女各7名
*開催国フランスから最低でも男女各1名、ユニバーサリティ枠として男女各2名

現在(2024年4月)出場権を獲得しているのは以下の選手です。

 出場選手
資格条件   男子女子
2023年世界選手権優勝 ビクトル・モンタルボ アメリカドミニカ・ベネビッチ リトアニア
大陸予選首位(アジア大会)半井重幸日本Liu Qingyi 中国
大陸予選首位(アフリカ)Bilal MallakhモロッコFatima El-Mamounyモロッコ
大陸予選首位(ヨーロッパ)Danis CivilフランスIndia Sardjoe オランダ
大陸予選首位(オセアニア)Jeffrey Dan ArpieオーストラリアRachael Gunnオーストラリア
大陸予選首位(アメリカ大陸)Philip KimカナダSunny Choiアメリカ

ブレイキン オリンピック競技試合日時

ブレイキンの競技スケジュールはこちらです。
*開始時刻は中央ヨーロッパ夏時間(日本の標準時のとの時差は7時間)
2024年8月9日(金曜日)
女子予選 16:00~18:00(日本時間 23:00~翌1:00)
女子決勝 20:00~21:45(日本時間 翌3:00~4:45)

2024年8月10日(土曜日)
男子予選 16:00~18:00(日本時間 23:00~翌1:00)
男子決勝 20:00~21:45(日本時間 翌3:00~翌4:45)

会場 コンコルド広場

まとめ

ブレイキンをオリンピック競技にする必要があるのか?ブレイキンは誰もが知っている、と言ったような野球やバスケット、水泳、マラソンなどとは違って万人向けするものではない特別なエンターテインメントです。

オリンピック競技としてパリ五輪で競われることになりましたが、果たして金メダルというタイトルが本当にブレイキンダンサーにとって誇りとなり得るものなのか?

世界で数多くの大会がある中、無理矢理スポーツの祭典オリンピックの土俵に上げる必要はなかったのではないか?という疑問が次々と見えてきます。パリ大会が最初で最後になるのでは?と予想する声も上がっています。

ここで、冬季オリンピック競技の「ハーフパイプ」を思い出してください。スノーボードが採用されたのが1988年の長野大会でこの時「ハーフパイプ」も同時に競技として採用されボーダー達が宙を舞い技を競い合いました。

当時は「スノーボードのようなちゃらい遊びがなぜオリンピック競技になったのか?なぜスノーボードの選手はチャラいのか?」などという声が上がりましたが、現在ではどうでしょう?ハーフパイプを楽しみにしている人口が増えてきていることは間違いありません。

願わくばブレイキンも今年のオリンピックでは周りからの反応は厳しいかもしれませんが、ファンが増えハーフパイプのように期待される競技に育つことを祈ります。


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